一見シンデレラストーリー風に展開して行くが、貧困・親ガチャ・友だち・スクールカースト・パパ活など、10代が抱える問題が提起されている作品。
貧困に喘ぎながら、必死に生きようとするJK・小林 しんら(こばやし しんら)16歳。恵まれた環境で生まれ育ち、何不自由なく生活しているイケメン・佐々木 雷(ささき らい)。
人生の両極端で生きているような二人の高校生が出会ってしまう。面白半分でしんらに近づいた雷、バカにするなと直向きに拒否するしんら。
こんな女見たことないと、友だちになるため本気になる雷。俺たちを利用して生きろと全面的に彼女に協力して行く。
正義を貫く雷らイケメン人気者3人組と出会ったことで、天涯孤独だったしんらの人生が明るくなる!青春ラブコメ!面白い!感動あり!泣ける!おすすめです。
原作の佐藤ざくりは、ベストセラー漫画「マイルノビッチ」(2021年ドラマ化)の作者。
まんが王国 ▸ 先行配信中! 2024年7月31日 5巻まで、見どころと登場人物をポイントでまとめました。「まんが王国」「シーモア」先行配信作品読むなら!人気ライバル2社の登録で完璧!!お得がいっぱい! 「まんが王国」11/5まで1冊無料 「シーモア」11/5まで1冊無料
【四畳半のいばら姫】一覧表 | |||||||||
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1巻 | 2巻 | 3巻 | 4巻 | 5巻 |
【四畳半のいばら姫】
- タイトル:【四畳半のいばら姫】
- 作者:佐藤 ざくり(さとう ざくり) 吉田 夢美(よしだむつみ)
- 掲載雑誌:マーガレット
- 発行元:集英社
- 配信開始日:2023年5月
貧困に喘ぎ必死に生きようとするJK・小林しんら。何不自由なく生活しているイケメン佐々木雷。人生の両極端で生きている二人の高校生が出会う。
一見シンデレラストーリー風だが、貧困・親ガチャ・友だち・スクールカースト・パパ活など、10代が抱える問題が提起されている。
【ポイント】
貧困に喘ぎながら必死に生きるしんらと正義を貫く雷らイケメン人気者3人組の青春ラブコメ!面白い!感動あり!泣ける!おすすめです。
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- 小林 しんら(こばやし しんら)…16歳JK、貧乏、親なし、友達なし、四畳半一人きり娘。
- 佐々木 雷(ささき らい)…人気者3人組、しんらに本気。
- 中村 加南(なかむら かなん)…人気者3人組、優しい黒髪。
- 青山 百景(あおやま ひゃっけい)…人気者3人組、お洒落大好き。しんらと不仲だが。…
- 杏城寺 凪渚(あんじょうじ なぎさ)…スクールカースト最上位女。
- 小林 麻美(こばやし あさみ)…しんらの母親、看護師。男にダラしなくたまにしか家に帰らない。
- 松野(まつの)…麻美と付き合う中年男46歳、良い人を装う。
- 中村 聖奈(なかむら せいな)…加南の可愛い妹、しんらが家庭教師になる。
- 中村 さえ(なかむら さえ)…加南の父の再婚相手。
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1巻
「第1話」しんらと雷の出会い
小林 しんら(こばやし しんら)16歳、本来なら花のJKのはずだが。…貧乏、親なし、友達なし、四畳半一人きり。
父親の顔は見たことがない、母親は男にダラしなくたまにしか家に帰ってこない。二人から入るお金は最低、家賃滞納、督促状の山だ。毎朝、親ガチャに失敗したことを嘆く。
コンビニでバイトしながら、一日一食だけ、まともな食事をしたことはない。唯一の生きがいは勉強して、良い大学に入ること。他人の普通の生活は、”しんら”にとっては贅沢でしかないのだ。
この高校には、人気者3人組と呼ばれるイケメン達がいる。佐々木 雷(ささき らい)・中村 加南(なかむら かなん)・青山 百景(あおやま ひゃっけい)、”しんら”にとっては全く興味のないことであったが。…
ある日の昼、前日80%オフで買った牛焼肉弁当を木陰で食べようと、外へ出たらコケた。弁当は宙を舞い地面に叩きつけられ、一瞬諦めかけた”しんら”、気を取り直し必死に完食した。
この様子を屋上から見ていた佐々木雷、”しんら”に興味が湧いて来た。面白かったと話しかけると、「お前らの娯楽になるつもりはない!ブッコロしてやる。」ちょっと引いた雷。
夕方コンビニのバイト、いつものように店長からのセクハラ、身体を触られる。ブッコロしたいが、収入がなくなるので我慢する。家に帰り空腹のまま寝る。
今日は三者面談、母親・麻美が遅れてやって来た。成績優秀な”しんら”に驚く。男と別れたから、これから家にいると言うのだが。…
コンビニでバイトしていると、雷が現れた。先日の件を謝りながら、友達になりたいと言われニヤつく”しんら”。横から彼女のお尻を触る店長、それを見ていた雷「おい!オッサン…」ヤバいと思った”しんら”、今日はあがりますと雷を外へ連れ出した。
バイトを辞めた方がいいと言う雷に、「お金もらえないと困るんだよ!」。そして、手持ちのお金5万7千円を渡そうとされた”しんら”。「バカにすんな!これ以上遊びで関わってくんなっ!」
惨めな気持ちを抑えながら、家に帰ればママがいると微かな希望を持って家に帰ると。ヤラれた!男とよりを戻すとメモがあり、家のお金を持ち逃げされた。絶望のあまり眠れず、翌日は身体に力が入らず起きられず学校を休んだ。
12時を回った頃、コンコン…誰だ?「本気ならいいでしょ!」人気者3人組がやって来た。
「私の神様?」と囁く”しんら”だった。…
「第2話」しんらと人気者3人組
佐々木 雷(ささき らい)・中村 加南(なかむら かなん)・青山 百景(あおやま ひゃっけい)、3人一緒で行動することを得意としている。
「生まれた時から恵まれているあんたたちとは、関わりたくない。」啖呵を切る”しんら”。「プライド高いよね。プライドで腹いっぱいにならないでしょ。」雷に言われ無言になる。
母親が残していったメモを3人に見られ、頼れる人はいない天涯孤独だと言う”しんら”に、「人生詰んでない?俺らが”しんら”の役に立つ!」真剣な眼差しで応える3人組。
そのとき腹がキュルキュル~、コンビニで何か買ってくると言われた”しんら”「いらない」と強がる。これ以上、惨めな姿を晒したくなかったのだ。
そこへ加南、「自分で作ったおにぎり、食いきれなくて。…食ってくれると助かる。施しではないと思う。」眼の前に差し出す。
涙をボロボロこぼしながら食べる”しんら”、優しくされたことがとても嬉しかったのだ。
手始めに、コンビニのセクハラ店長を社会的に抹殺すると宣言する雷。「姫がお望みとあれば。」
店長の動画を撮影、SNSで拡散、店長は解雇された。会社側から慰謝料が支給された”しんら”、3人組の行動に感謝する反面、晒し者になった店長を心配する。
雷「性暴力をしたんだから、一生苦しめばいい。」彼らの正義を感じた”しんら”、全面的に協力を要請した。「生き抜くために、協力して!」プライドはもう捨てた。…
「第3話」しんらに近づく凪渚
4人で登校するようになった”しんら”、他の生徒たちから羨望の眼差しを集める。
昼食を誘われた”しんら”、馴れ合うつもりはないと憎まれ口を叩く。すかさず百景「ブス、貧乏女、おたまじゃくし女…」悪口のオンパレードに、「あんた頭悪いでしょ!先生に怒られていたよね。…」返す”しんら”、割って入る雷。
そこへ現れたスクールカースト最上位女・杏城寺 凪渚(あんじょうじ なぎさ)、顔良し・スタイル良し・家柄良し、3人組の噂が面白くないらしい。
”しんら”を切り離したいのだが、まず手始めに”しんら”に近づき仲良くなる作戦から。
「メイクさせて~お肌がキレイ、やり甲斐があるわ。…」面白半分バカにして見ている3人、仕上がりの可愛さに驚く。
LINE交換してと迫る凪渚を見て、何か企んでいると見た雷。「”しんら”教室遠いでしょ、先に帰んな。」
メイクというマジックに魅了された”しんら”。放課後、凪渚のいるバトン部の部屋へ。母親以外としたことのなかったLINE、最近3人組と交換。そして自分から初めてLINE交換を申し出る。
すると「高収入のバイト興味ない?やってみたら世界広がるかもよ。」罠を投げた凪渚。PCの画面に文字を打つ、「死ね死ね死ね死ね死ね…」
「第4話」しんらを陥れる凪渚
慰謝料で家賃滞納分を振り込んだ”しんら”の所へ、アパートの大家がやって来た。今度滞納したら立ち退きだと、脅される。
セクハラ店長がいなくなり働きやすくなったコンビニだが、本部の命令で閉店になった。
定期的な収入を失った”しんら”、3人組に相談すべきなのだが、言い出せずにいた。そこへ凪渚からLINE、高収入のバイトを教えてと返す。
通路を歩いていると、制服のポロシャツが破れてると加南が指差す。自分のポロシャツを脱いで”しんら”に渡す。サイズのデカさに戸惑うが嬉しくなる。凪渚とのことを心配している加南、「危ない事しないでね。」雷と加南は”しんら”に優しいねぇ~。
凪渚が紹介して来たバイトは、やはり「パパ活」。SNSのアカウントを登録させられた、凪渚が入力した。
お金が必要だと割り切った”しんら”、四六時中SNSにハマり出す。いつもスマホを見ている”しんら”に「ザコい事してないよね?」釘を刺す雷だが。…
吟味に吟味を重ねた末に、斎藤・34歳会社員を選択した、この男は真面目で安全だと。
待ち合わせ場所に現れた男、佐藤健似だと書いていたが。半魚人のような恐ろしい顔をしていた。…
「第5話」しんら助けられる
喫茶店にいる”しんら”と斎藤の二人。先払いだと2万(時給1万で2時間)を渡す斎藤に、いい人だと安心する”しんら”である。
3人組が待ち合わせの喫茶店。百景がスーツ姿のおっさんと”しんら”を見たと言う。LINEを送る雷、電源を切られた。
すぐ凪渚を呼ぶ「おまえ、何か入れ知恵しただろ」。パパ活だと応える凪渚にキレそうになる雷。私がアカウント登録したからと、”しんら”のSNSから待ち合わせ場所を特定する。
待ち合わせ場所に行く3人組、もういなかった。焦る雷、手分けして近くで女を連れ込める場所を捜し始める。
別れ際、道で腹が痛いと跪く斎藤。少し休みたい、時給は払うから付き合ってと、”しんら”をカラオケ屋へ連れ込む。
”しんら”がトイレに行ってる隙に、飲み物に睡眠薬を入れる。すっかり眠ってしった”しんら”を見ている斎藤、会計を済ませ非常口から”しんら”を連れ出し、隣のラブホへ入る。
カラオケ屋まで辿り着いた雷、従業員に食らいつき、さっきまで居たことを確認した。
まだ眠りから覚めない”しんら”をスマホのカメラで撮影している斎藤。すると、ぼんやりと斎藤の気持ち悪い顔が目の前に浮かんだ”しんら”。
手でスマホを払い除け、這って入り口へ必死でドアを開ける”しんら”「雷ーーー!!!」生まれて初めて、人の名前を声にして助けを叫んだ。
駆けつける雷「呼ぶのが遅ぇんだよ!」”しんら”を思いっきり抱きしめる。「呼べ!頼れ!おまえの力になる。」…
カッコいい~泣けますよ!
2巻
雷と百景、凪渚の生い立ちが描かれ、百景がしんらに恋をする。母が戻って来た。…
「第6話」雷の生い立ち
駆けつけた3人組、男を取り押さえた。斎藤・34歳会社員と名乗っていた男の本名は、坂中田晋太郎(さかなかたしんたろう)・大手銀行勤務、身元を押えた。
睡眠薬2錠を飲ませられた”しんら”、金がないと病院を拒否。3人組と自分のアパートへ、そして朝を迎えた。起きて一人じゃないことが嬉しい”しんら”、通路に出て雷に礼を言うと泣き出した。
”しんら”の孤独がわかると言う雷、自分のことを喋り出す。母は売れない女優で、大物政治家の愛人をしていて、自分が産まれた。小学3年生のとき、母は病気で亡くなり、政治家の家に引き取られた。金には困らないが、異母兄弟に囲まれ肩身が狭い。母と二人だけの方が幸せだったと。…
自分だけが不幸を背負っていると思っていた”しんら”、何も悩みのないボンボンだと思っていたことを謝罪した。
加南と百景も起きて来た。「私を助けてくれてありがとう!」、無事で良かったと全員でスタバへ。人生初のスタバに戸惑いながら、ふつうの幸せに触れたような気がした”しんら”、とても嬉しかった。
3人組のおかげで、孤独だった人生が次第に広がって行くのである。
「第7話」凪渚の生い立ち
坂中田晋太郎のことを実名・顔写真入りでSNSに投稿した3人組。あっという間に拡散、パパ活で悪事を働く常習犯らしい。テレビ局にも取り上げられ、ついには逮捕された。
コンビニのバイトが無くなった”しんら”、バイトを探すが16歳だと親のサインがいるので悩む。優しい加南、百景に頼む。
百景のお父さんは、アパレルのお店を何店舗か運営、バイトを募集しているらしい。時給も2,000円と高給、飛びつく”しんら”をセンスがないと撥ねつける百景。この二人犬猿の仲だが、”しんら”のため折れた百景、紹介することにした。
学校の中庭、雷と凪渚が話をしている。通りかかった”しんら”、茂みに隠れる。パパ活を紹介したことを雷に謝っている凪渚「彼女にちゃんと謝るから嫌いにならないで!」「凪渚に興味を持ったことがない」そう言って立ち去る雷である。
覗き見がバレた”しんら”、「この貧乏イモ女!ーお前のせいで…」凪渚に吊るし上げられる。そして自分のことを喋り出す凪渚。「全身整形サイボーグ」だと。
中学まで京都に住んでいて、母は超有名スナックの美人ママでシングルマザー。もともとデブスだった凪渚、母の勧めで少しずつ整形を繰り返し綺麗になっていったが、他人の目が怖くなり東京の高校に転校した。雷に一目惚れ、3人組と友達になりたかったが。…お前のせいだと、また怒り出す。
以前、凪渚にメイクしてもらったことが嬉しかった”しんら”、「私、凪渚さんに憧れてます!性格はクソだけど…」。「2軍コスメ、あげる!あんたに悪いことしたから」すっかり吐き出した凪。…メイクもしないで可愛い顔で細身の”しんら”に嫉妬していたのである。
日曜日のバイト面接、百景と待ち合わせ。慣れないメイクに夢中になり少し遅れた”しんら”。彼女のメイクした顔を見て照れる百景、嫌いなのに?どうしたの?…
「第8話」百景の生い立ち
”しんら”のメイクした顔に惚れてしまった百景。TシャツGパンではダサいとワンアイテム増やすことを提案、可愛いいと髪に触れると「死ね!」。
社長の息子・百景の紹介もあって無事面接通過、採用となった”しんら”、百景に感謝する。
百景のことを見かけ噂している二人の男、「あいつ小学生の頃チビで、派手な服ばかり着ていたから女かよって…」。側にいた”しんら”、リュックで思いっきりぶん殴る。「百景ー!間違ってないよね?」睨みを利かす百景「消えねーとぶっ殺す!」
卑屈な考えが変わって行くしんら!情けにアツくなる!
自分のことを喋り出す百景。小学生の頃、小さくてガリガリだったけど、父の影響で派手な服ばかり着てバカにされていた。その反動で中学に入ったら、荒れて毎日喧嘩ばっかしてた。その頃、雷と出会っておしゃれだって褒められ考え方が変わった。「神様だよ俺の」…突然、本当はメイクもしたいと囁く。
二人なら怖くないと言う”しんら”、デパートの化粧品コーナーへ。そのころ”しんら”を心配する雷、「何で付いて行かなかった?」と加南に聞かれ。
「あの二人仲悪いから、親睦を深めて欲しい…」と思ったと応えるが、ちょっと寂しそうな表情になる。
「第9話」百景、しんらをデートに誘う
百景は大量に化粧品を買い込み、”しんら”はサンプルをゲットした。公園で”しんら”にメイクしてあげた百景。メイクした顔が好き、女子高生の中でもピカイチだと褒めると。「死ねっ!」かなり仲が良くなった二人である。
翌日の下校時、”しんら”をアパートまで送る3人組。アパートの前で、バイト休みの日二人で遊びに行こうと”しんら”を誘う百景。コソコソしたくないからだと言う。
化粧品をあげると言われ喜ぶ”しんら”、デートすることになるが。雷は不機嫌になり、加南と一緒にその場から立ち去った。
さらに、”しんら”のことが好きになりかけてると告白する百景。せっかく4人で仲良くなれたのに、大丈夫かな?
「第10話」百景としんらのデート
告白された”しんら”、胸が熱くなるのを感じている。恋愛なんか贅沢で無縁だと思っていたのに。…
デート当日、ワンピース姿で現れた”しんら”、可愛い~。バイト先で安く買ったらしい。
映画とかカフェとか行こうと誘われるが、お金がないと断る。仕方なく公園で話をする二人。初デートは中2、高2のエロいネーチャンに誘われ童貞奪われたと語る百景に、吹き出す”しんら”。
なぜデートする気になったと聞かれ、雷と知り合ってから、貧乏、親なし、友達なし、四畳半一人きりから抜け出せた。だからとりあえずしてみようと思って。…
この言葉にカチーンときた百景「デートやめだ!」。すると倒れる”しんら”、顔が赤い、熱があるようだ。
すぐアパートに戻り、百景に看病してもらう。緊張すると熱が出るタイプだと口にしながら、やめるなんて言うなと怒る。短気でゴメンと謝る百景、またデートしようと誘う。この二人、似た者同士かもね?
そこへ母親が戻って来た。…
「第11話」しんらの怒りと百景
一瞬、百景に驚くが、”しんら”は恋愛に興味のないこと知っている母親。熱があって看病されていたことに気づく。”しんら”の希望で百景は帰る。
母親がいなくなってから、貧乏のドン底だったことを怒る”しんら”。熱が上がってまた倒れる。
この間の男は他の女と浮気していたと聞かされ、絶対に許さないと思っていたが、大好きな鍋料理を出され、ちょっとホロッとする。
熱が下がり少し落ち着いた”しんら”、百景に連絡すると、近所にいた。心配でうろついていたらしい。
母親を追い出そうと意気込む百景を必死で止める”しんら”。また同じことを繰り返す、心の隙間を埋めるために利用されていると説教する百景。
そんなこと百も承知だと言い返す”しんら”、親娘だから変わってくれることも期待していると。「あんたに何がわかる?恵まれている家庭で育った人に!」…百景の胸ぐらを掴んで、泣きながら当たり散らす。
「わかった!アーホ」と応える百景、「あんたのことが好きだ!」。…正直な告白に、どうする”しんら”?涙が止まらないのであった。…
3巻
「第12話」百景の思いに応えられないしんら
”しんら”をいつも心配している雷、電話すると母親・麻美が出た。百景と外で話をしていると教えられる。
その百景、「好きかもなって意識してから、不思議なものに見える…」そう言い残して帰って行った。真っ赤になって告白された”しんら”も真っ赤っ赤(まっかっか)、ぶっ倒れそうになる。
湯船に浸かりながら、好きと言われたことに反発しながら素直になれない自分。貧困で他人を寄せ付けなかった頃の自分と同じだと思う。
翌日の3人組と”しんら”、”しんら”に告ったと公表する百景「とりあえずは、やりて~かな」。怒る”しんら”のドロップキック炸裂「ブッコロス!シネ百景!」…百景が怖くなるが、無表情な雷が気にかかるらしい。
家に帰ると、母親・麻美がまた男を連れ込んでいた。…昔の飲み仲間で真面目な人だ説明するが?…
「第13話」母親・麻美の男・松野
自己紹介する男、松野(まつの)独身46歳、仕事はデザイナー。…男性依存症の母親・麻美にまだ懲りないのかと激怒する”しんら”。しかし、今度の人は真面目で良い人だと別れようとしない。
学校の図書館、参考書を借りに行くと雷にトメられる。気不味い雰囲気になり「体育祭の応援団長をするんだって。…」帰ろうとすると”しんら”に「なぜ俺に言わないの?」。ママのことや百景のことを後回しにされたことにムカついている。
「”しんら”は特別なのに…」と口に出す雷が怖くなる”しんら”、「おちょくってんな!バカ」…なかなか男たちの気持ちには寄り添えないのであった。
給料日だと言う松野、母親と”しんら”に食事をご馳走してくれた。そのまま、家で飲みだし寝てしまう。お風呂に入りながら今日のことを思い出す”しんら”。雷に言われたことがとても嬉しかった。
そして下着姿の脱衣場、今度の男とはもしかして家族になれるのか?と思った瞬間、松野が入って来た。「トイレかと思った?あ~ゴメン~」…この男もヤバいようだ。…
「第14話」百景の嫉妬
昨晩の松野、恐らく酔っていたからだろうと自分を納得させる”しんら”。朝、3人組が迎えに、雷は応援団の練習らしい。学校が終わりアパレルのバイトへ行くと、雷が図書館でのことを謝りに来た。
姫と呼ばれ「誰がじゃぁー」と照れる”しんら”、機嫌は直ったと安心する雷である。コンビニでアイスを買って食べながら帰る二人、幸せな気持の”しんら”が口を開く。「ママに男ができて家に入り浸り」、「なぜそんな大事なこと報告しないの?」雷に睨まれる。
アパートの階段の前で話をしているところへ、百景がパンとアイスを買ってやって来たが隠れた。
自分と付き合ってくれると信じていた百景、ムシャクシャした気持ちで街に出たらメンチを切られ喧嘩。当然ブチのめすが一発もらう。…
「第15話」百景のシンデレラ
翌日の学校の廊下、”しんら”を「あばずれ」と呼ぶ百景。泣きながら「片思いだった、おまえ雷が好きだろ!」。そこを通りかかる雷に「私が雷を好きなわけないし…」裏腹な”しんら”である。「彼氏にするならよそ見しない百景がイイ」と、雷は言い残してその場を去った。
雷を絶対的に信頼している”しんら”、付き合うべきだと百景の腕にすがるが払いのけられた。平行線のまま、”しんら”のアパートへ向かう百景。
”しんら”が階段から降りて来る。中学生のジャージに首たるたるのTシャツ、ママのサンダルを履いて。…その姿を俺のシンデレラだと最高の褒め言葉で抱きしめた百景であった。…
「第16話」ママの男は変態
夜中、百景に抱きしめられた余韻に浸り寝ていると。松野が横に、”しんら”の身体を見ながら、まさかの自慰行為か?今回で2度目、怖くなり朝まで眠れなかった。
バイトが終わり家に帰ると、また松野がいる。もう家族だからと飲んでいる。母親の帰りが遅くなるので、コインランドリーで洗濯して来たと”しんら”のパンツを手に。
中学生のような下着だとニタニタ顔の松野、こいつも変態野郎だ。怖くなり下着を奪い取り街へ逃げた。
コンビニでセクハラ店長、パパ活で魚男、今度はママの男に。…「男は気持ち悪い!…」歩き疲れ歩道にひざまずくと、飲みに行かないと声をかけてくる二人組の男に強引に腕を掴まれる。…絶対絶命!
「しんら!何してるの?」雷だ!助けてと泣きじゃくる”しんら”を抱きしめる世界一大丈夫な男。「抹殺しましょうか?」と二人組の男を追い払う。…また雷に助けられた”しんら”である。
「第17話」遠のくしんらの幸せ
本当は松野のことを吐き出したいが。…話したら松野は雷に社会的に抹殺されてしまう。今ママは幸せだから、自分が我慢すればイイと自分の気持ちを押し殺した”しんら”。
「ママが帰って来たから、もう同情して欲しくない。…」わざと強がって見せる。「”しんら”が幸せなら?」…寂しい表情で静かに去って行く雷である。
学校でも3人組全員と、つるむこともなくなった。家では松野が怖くて眠れず、部屋の隅っこで朝まで固まっている。「これが私の幸せなのか?」自問自答を繰り返す”しんら”、雷に嘘をついたことを悔いる。
他人と付き合うようにはなったが、心は天涯孤独だったころへ逆戻り。百景にパンツが見えたと言われ激怒「うるせーんだよ!ほっとけよバカ!キモい!」…
家に帰るとスカートの下にジャージを履いて夜の公園の滑り台へ。雨が降り出し「家に帰りたくない、寒い、眠い…」行き場を失った”しんら”。彼女に傘を差し出す男が。…
「危ないことしないでって言ったのに。」…いつも3人組にどん底を救われる”しんら”、今度は加南登場である。…
4巻
「第18話」安心感を与える優しい男、加南
公園で一夜を明かそうとしていた”しんら”を自分のマンションに連れて帰る加南。家族はいるが訳アリで、高級マンションで一人暮らしをしている。
ストレスから爪を噛む癖があった”しんら”、久しぶりにまた噛んでいる。優しい加南、血が出ていると指に触れると手を振り払われた。松野に触れられた恐怖からだ。触れてイイと許可をもらってから、治療してあげた。優しさが心に染みる”しんら”である。
ママから連絡が来ると、ファミレスで勉強していると返す。「ゆっくり休んで!」、部屋の鍵とスペアキーを置いて出て行く加南。人に安心感を与える優しい男だ。
一人残された”しんら”、また迷惑かけてると思いながら、加南のベッドに座ると自然と横になって眠ってしまった。加南の優しい香りに癒やされて爆睡。
今日は土曜日。目覚めると朝7時、状況が理解できていない”しんら”、加南の家だ~と玄関を開ける。加南がドアの前に座っていた。
24時間ジムで過ごしたらしい。謝る”しんら”に笑顔で入ってイイと聞く加南。そしてご飯を炊いて、おにぎりを朝食に出す。居心地の良さが嬉しい”しんら”であった。
”しんら”の気持ちが理解できない百景、死にたいと雷に言うと「アホか!」…昨日”しんら”が外出したことを知って、朝まで帰りを待っていたが。…一人じゃないとイイけどと雷も心配している。…
「第19話」しんらの家出
家族からの電話に不機嫌になる加南。心配になる”しんら”。すると筋トレを始める加南、嫌なことを振り払うために。家族のことがストレスになっているようだ。
礼を言って家に帰る”しんら”。今日の午前中は二人ともいないからチャンスだと、数日分の着替えを持って家出したが。…ネカフェを転々、未成年だから深夜は無理、おカネもかかる。
そして行き着いた先がバイト先のアパレルショップ。店長が鍵を隠す場所を目撃していた”しんら”、閉店後鍵を開け寝泊まりを始めるが。…あっさり店長にバレ、即クビになった。
行き場を失い、収入源を失い、自暴自棄になりかけていた”しんら”。今日は体育祭、パン食い競争などモノが食える競技だけに参加してサボっていると。3人組が応援団の演舞「しんらへ」…勇気をもらった”しんら”、戦う決心をする。
これまで、ママの幸せのためにガマンして来たが。…もう逃げない。…
「第20話」変態・松野の本性
”しんら”、ママをファミレスに呼び出す。松野の変態性を必死に訴える。着替えを覗く、ニタニタしながら下着をたたむ、夜中そばに寝ているなど性的に見られていることを。
「大丈夫だから」と笑って応えるママ、今日は一緒に食事しようと強引に家に連れ戻された。
デパ地下の惣菜を夕食に用意していた松野。あまり記憶にないがこれからは酒を控えると真面目に”しんら”に謝る。ママは酔いつぶれて寝ている。
少し安心してゆっくり風呂に浸かっている”しんら”、話をしてママを信用して良かった~。すると「ガチャ!」風呂場のドアを開けて松野が入って来る。
「おっさんキモいっすかぁ?」酒を飲んでいる。ママに余計なことを喋るなと、身体に触れながら脅された”しんら”、もう怖くていれないと翌日3人組に連絡した。
「ごめん、たくさん迷惑かけたけど。助けて欲しい」絶対に許さないと心に誓った”しんら”であった。…
「第21話」松野を罠にハメる
夜の公園に集まる”しんら”と3人組。これまでのお礼と自分が迷惑をかけたことを謝る”しんら”。
自分の人生から松野を追放するために協力して欲しいと頼む。ぶっ殺すと意気込む3人組に”しんら”が作戦を用意した。
ママが夜勤の日、”しんら”が来ないと思っている松野。今日は帰ると、”しんら”が食事を用意して待っている。驚く松野に、変態扱いしたこと謝る”しんら”。
早めに寝ると、仕事をしている松野がハァハァ~言いながら”しんら”の身体に覆い被さって来る。寝たふりの”しんら”「触るな!ロリコンクズ野郎!」
松野を払い除け、起き上がって電気を点ける。「飲んだらダメになる奴は、飲まなくてもダメな奴なんだ」とぶちまける。
裸みたいな格好で寝ているお前が誘っていると反論する松野。「今の全部撮れてる?」3人組が入って来た。部屋に仕掛けたカメラで、証拠はすべて押さえた。
ハメられたと激怒する松野、3人組に取り押さえられる。「ママが帰ってきたら、初めての家族会議だね。オトウサン」ほくそ笑む”しんら”である。…
「第22話」ママとの別れ
ママが帰って来ると、3人組がドアの外で待っている。中に入ると松野が正座してうつむいている。”しんら”から送られた動画を見て驚くママに、ハニートラップだと言い訳する松野。
娘の言うことをイタズラ扱いにして、運命の人だとクズ男を信用するママ。「あんたも男に頼って生きてるくせに」と言い返す。我慢できず中に踏み込もうとする百景を止める雷と加南。「一人で決着をつける!」と言った”しんら”を信用しろと。
ママとの思い出が走馬灯のように見える”しんら”涙を浮かべながら「ママが大好きだったけど、もうやめる」。…
本気にしていないママに、私を大切にしない人間はもう大切にしないと。…絶縁宣言「私、小林しんらは母親・小林麻美を母親から解雇します。」
母娘なのにと泣きつくママと冷静になろうとふざけた口を叩く松野。「10分だけやるから、荷物をまとめて出て行け!金輪際、赤の他人!絶対に近寄るな!話かけるな!」
涙をボロボロこぼしながら「バイバイママ!もう2度と会いたくない!」最低で最悪で、でも大好きだったママを捨てた日であった。
「第23話 」しんらの新しい生活
ママと松野が出て行ってから、部屋をきれいに片付けた。その週の土曜日、3人組を呼んでお礼パーティー。得意の焼肉弁当で歓迎、幸せになってやると誓う”しんら”であった。
そして加南の提案で、加南の妹・聖奈(せいな)の家庭教師を引き受けることにる。中村家に招かれ、両親と聖奈に面接して成績優秀な”しんら”、もちろん採用された。
帰り際、名残惜しそうに「にいにのバカぁ!」と泣き叫ぶ聖奈、兄・加南が大好きらしい。…家族のことを聞くと迷惑だと一蹴された。
バイトを紹介してもらい収入源も見つかり嬉しいはずの”しんら”だが。…加南が家族のことを喋りたがらないことに苛立ち始める。
加南の筋トレを見習って、ジョギングで気晴らしに出る。前方に見覚えのある男が走っている!加南だ。一気に抜き去るとムキになる二人、”しんら”が競り勝った。
ハァハァ言ってしゃがみ込む加南、「さっきはゴメン。俺の話、聞いてくれる?」
どうやら自分の家族のことを話す気になったらしい。…さてどんな悩みがあるのか?5巻も加南が主役のようですね。お楽しみに!…
5巻
「第24話」加南の告白
ステップファミリー(夫婦の一方あるいは双方が、子どもを連れて再婚したときに誕生する家族のこと)だと告白する加南。
小2のとき母親を亡くし中1のとき父親が再婚。聖奈は再婚相手・さえの連れ子だと。可愛い妹が出来たと、4歳の聖奈を抱っこしたりしていたら、さえから冷たい視線が。…自分の娘を心配しているのだ。両親の再婚で、義理の兄妹ゆえの歪んだ愛情を恐れている。
人一倍優しい加南、このまま家にいたら迷惑をかけると思い家を出た、父所有のマンションへ。
母・麻美の男に犯されそうになった”しんら”、さえの気持ちを理解するが。…この家族、何とかならないかと必死に考えた末、夏祭りだと決めた。
可愛い聖奈と優しい加南を引き合わせようと。貧乏ながら安い浴衣をレンタル、兄妹を引き合わせることにした。…
「第25話」加南が彼氏だったら?
家庭教師の”しんら”、さえからの信頼は厚く、無事門限まで聖奈を家に届けた。「また遊びに行っていいですか?」とさえに問う。
大丈夫だと応えるさえに、加南が申し訳なさそうに話かける。「僕がお荷物になってしまって…」、加南の気遣いに涙するさえ。これから仲良くできそうだね。
二人だけになった”しんら”と加南、”しんら”のお誘いでまた夏祭りの夜店へ。きれいな”しんら”に心を動かされた加南、射的で大当たり!熊のデカい縫いぐるみをプレゼントされ大喜びの”しんら”である。
喜びすぎて下駄の鼻緒が切れた”しんら”、お姫様抱っこしてもらい花火会場へ。恥ずかしながら、女子たちの羨む視線に、加南が彼氏だったらと真剣に思うのであった。…
「第26話」夏休みの海
そこへ突然現れたのが百景。手を繋ぐ二人に、また愛の告白「何で俺じゃダメなの?」…もうキャパオーバーの”しんら”「ごめんなさい」。一人になって、「私アバズレ?」加南には男を感じる”しんら”である。
夏休み、一人の四畳半で勉強していると。…窓の外から百景が「海行かない?」…4人分の宿泊券が当たったらしい。毎日一人の寂しい夏休み、百景に誘われちょっぴり嬉しい”しんら”。対して本気で告白しようと企む百景、その行方は?…
「第27話」雷、再び
人気者3人組との海。加南の優しさに触れながら、母親・麻美の血を感じる”しんら”。男が欲しい?…
男湯から、百景と加南が言い争う声が聞こえる。心配して外で待つ”しんら”に、冷静な雷が声をかける「夜の海に行こう」。
加南が好きだと告白する”しんら”、雷に吐き出したことを後悔している。雷はどう思っているのか?…
「第28話」百景の失恋
良い奴だと祝福する雷に寂しい気持ちになる”しんら”。百景と加南は、すっかり疲れて寝ていた。翌朝、百景に誘われ海へ。水を掛け合いふざけ合っている二人、まさにお似合いのカップルであるが。…
好きだと告白する百景に、泣きながらゴメンナサイをする”しんら”。百景を傷つけたと心が重くなる。…
「第29話」四畳半がない
百景を心配する雷、帰る時間だと百景を迎えに行く。「喧嘩ばっかしていたお前が、人を好きになるなんて…」。泣きながら雷の胸ぐらを掴む百景、人生初の失恋を経験した。
百景のシンデレラ”しんら”はズーッと変わることはないのである。
帰りの電車、いつもの3人組と”しんら”、みんなちゃんとわかっていた。一人になった”しんら”、ず~っと3人組といたいと思うのであった。
家に着くと、家がない。火事で全焼していた。一泊二日の旅行、電気の消し忘れが頭の隅に残っていたのだが。…放火らしい。…とんでもない災難がまた”しんら”を襲う。…
- タイトル:【四畳半のいばら姫】
- 作者:佐藤 ざくり(さとう ざくり) 吉田 夢美(よしだむつみ)
- 掲載雑誌:マーガレット
- 発行元:集英社
- 配信開始日:2023年5月
貧困に喘ぎ必死に生きようとするJK・小林しんら。何不自由なく生活しているイケメン佐々木雷。人生の両極端で生きている二人の高校生が出会う。
一見シンデレラストーリー風だが、貧困・親ガチャ・友だち・スクールカースト・パパ活など、10代が抱える問題が提起されている。
【ポイント】
貧困に喘ぎながら必死に生きるしんらと正義を貫く雷らイケメン人気者3人組の青春ラブコメ!面白い!感動あり!泣ける!おすすめです。
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