「あなたがしてくれなくても」でお馴染みのハルノ 晴(はるの はる)さん。この方の絵の表現って、優しいですよね。無駄なセリフを書かず、心理描写がとても良く描かれたビジュアル重視の作品です。

新作「私がひとりで生きてくなんて」、シンデレラになったつもりで結婚した妻・愛菜が、夫・宏之に捨てられ始まるリベンジストーリー。どうぞ、一度ご覧になってみてください。
分冊版6巻まで配信中。2023年8月30日 6巻までポイントでまとめました。「まんが王国」「シーモア」でお楽しみください!どちらも無料登録でたくさんの作品が読めますよ!
【私がひとりで生きてくなんて】

- タイトル:【私がひとりで生きてくなんて】
- 作者:ハルノ 晴(はるの はる)
- 掲載雑誌:コミックDAYS
- 発行元:講談社
- 配信開始日:2023年6月
【おすすめポイント】
夫から離婚を切り出された専業主婦・愛菜。社会経験がなく夫・宏之にすがりついて来たが、開き直って夫を捨てた。…「あなたがしてくれなくても」に続き、結婚のあり方を問う新作!
- 小田川 愛菜(おだがわ あいな)…東京の短大卒業後、専業主婦となり福岡へ。
- 高田 宏之(たかだ ひろゆき)…愛菜に求愛して結婚、福岡へ連れて行く。
- 岸本(きしもと)…税理士事務所の先生。
- 鎌田(かまた)…税理士事務所の女事務員。
- 北村(きたむら)…宏之の不倫相手。
1巻
「第1話 離婚宣言」
東京の短大在学中、就職先が見つからず困っていた愛菜(あいな)。現在の夫・高田 宏之(たかだ ひろゆき)から専業主婦でいいからと求婚され、社会に出ることもなく結婚、福岡へ。
お姫様になったような気分で結婚、人生の主役になったつもりでいた。そして6年、手抜きすることを覚え、毎日ぬるま湯に浸かったような怠惰な生活を繰り返す。
お洒落もせず毎日同じような部屋着にすっぴん、午前中家事、テレビを見ながら昼寝、夫・宏之のために簡単な夕食を用意する。
そしてある日突然、夫・宏之から「離婚してくれ。ニートを養っているようだ…」
ショックを受けた愛菜、弁護士事務所に相談に行くつもりが、誤って税理士事務所へ入り「夫から離婚を言われて…」と話し出すオッチョコチョイ。
事務所の女性事務員・鎌田から、お茶を出され落ち着いてと言われる。
「世の中、仕事も家事も子育てをしている人もいるのに、あなたは家事一つこなせてはいない。…」税理士の岸本先生に、こっぴどく説教された。
すがる神を間違った愛菜、帰りに白紙の履歴書を渡される。夜の公園、書いてみると学歴5行で終わる。この現実に涙が溢れる。風で飛ばされた履歴書、そこを通りかかった岸本に見られる。
「本当に何もないんですね。これから、大変ですね。」岸本からキツ~ぃ一発を浴びせられる。
「第2話 荒波の世間」
離婚されたら生きていけない現実を噛みしめる愛菜。生活を変えるが、夫はもう振り返ってくれない。
やっと未経験OKのバイトを見つけスーパーで働き始めるが、労働のキツさと賃金の安さに嫌気がさす。さらに、店長からセクハラされ、拒否するとシフトを減らされた。
宏之から離婚届を渡され、2ヶ月後にはここから退去すると告げられる。
シフトを減らされ、デリバリーのバイトを掛け持ちするようになった愛菜。幸せそうな家族を見て涙が溢れる。そして次の配達先へピンポーン、税理士の岸本が現れた。
驚くと同時に、「職歴がないとこうなるんですね」。相変わらずの口の悪さにムッとするが、ペッボトルの水を差し出してくれた。また涙が溢れ、宏之から言われたことを喋り出す。
「これだから世間知らずは…、話がおかしいと思いませんか?」旦那を尾行すると言い出す岸本、愛菜と一緒に外へ出る。
宏之を見つけた愛菜、岸本を伴って尾行して行くと、あるアパートの2階へ。ドアが開くと女性が出迎える。
呆然としている愛菜に「慰謝料を取りましょう。不倫の証拠を集めてください。離婚したらお金必要でしょ!…」

「第3話 不倫の現場」
宏之の不倫をまだ信じられないでいる愛菜、「まだ好きだから訴えるなんて…」。「そうですか、それでは仕方がないですね。…」岸本、立ち去る。
そしてある日、満喫に泊まると言って着替えを取りに来た宏之を尾行する愛菜。宏之は居酒屋で女と待ち合わせ、酔っ払って抱きかかえられるようにして女のアパートへ。
一部終始スマホで撮影した愛菜、この夜はショックで一睡も出来なかった。…
宏之に問い質しても埒(らち)が明かないと思った愛菜、女を喫茶店に呼び出した。北村と名乗る女、別れて慰謝料も払うので離婚しないでくれと言う。地元に婚約者がいて自分も困ると。「申し訳ありませんでした!」
家に戻ると宏之が帰って来ていた。「離婚やめようかなっ~」「バカにしないで!」家を飛び出した愛菜、なぜか?路上で岸本にぶつかり逃げようとするが、喫茶店に連れて行かれる。
決心はついたが、自分自身に腹が立っていると。浮気されて戻れば許すような女だと思われたいたことに。そんな自分を変えたいと話す。「専業主婦、離婚します!」
「第4話 呪い」
離婚を撤回したい宏之と話し合う愛菜。北村とキスしている画像を突きつけ、デリバリーのバイトへ向かう。もちろん、離婚届けにはサインした。
岸本の事務所へ配達に行くと、女性事務員・鎌田から愛菜のためにデリバリーを増やしていると言われる。口は悪いが、心配していると。複雑な気持ちなる愛菜である。
家に戻ると、部屋中の物が無くなっていた。宏之がすべて持って引っ越した。電話すると、「全部俺の金で買ったから全部俺の物。…離婚しないからね。」
翌日、区役所に離婚届を提出した愛菜、その足で岸本の事務所へ向かう。
離婚届を出して来たことを報告して、すぐに帰ろうとすると。引き止める岸本、「記念日、何か話したいんでしょ?…」
愛菜、身構える、離婚したのに記念日とは?一人で不安だらけの愛菜に、「言葉は呪い、自分に良い呪いをかけるんです。」と教える岸本。
すると愛菜、「一生一人は嫌です。幸せになりたい!ー」「今とても寂しい!誰か抱きしめてぇー」これでスッキリした。
岸本「抱きしめましょうか?」彼の温かい手に包まれた愛菜、凍っていた心が解けていくのを感じながら、岸本の身体に身を委ねる。
「あなたの決断は正しい」愛菜を慰める岸本だった。…
2巻
「第5話 愛菜を心配する岸本」
愛菜が余韻に浸る間もなく、岸本「事務所閉めるんで帰ってください」。相変わらずのクールさに戸惑う愛菜、愛されているのか?と、ちょっと勘違いしていた。
翌日、宏之から慰謝料が振り込まれていた。
一度も就職したことがない愛菜。大学時代のようにリクルートスーツを用意して、片っ端から履歴書を出して面接を受けるが、まったく相手にされない。
岸本の事務所の前に求人募集のチラシが張り出される。「簿記3級以上、間違っても応募しないように。」キツーい一言を浴びせられる。
夕方の路上、不採用のメールを見ながら涙をこぼし歩いている愛菜。そこを通りかかる岸本、怒った顔で「鎌田さんがいるから事務所に行ってください」。本当は愛菜のことを心配しているのだ。
鎌田が先に帰り、留守番している愛菜。岸本にお礼をしたくて、ただ座っていられず電話に出たり、掃除したり。…帰ってきた岸本「余計なことしないでください。」
「ですよね~」引きつった笑顔で帰る愛菜、公園のベンチに座り専業主婦の無力さを改めて感じていた。
そこへ封筒を持って現れた岸本、バイト代だと愛菜に渡す。部屋がきれいに片付けられ、「ちゃんと主婦していたのがわかりました。お疲れさまです」。
「ありがとうございます」と泣きそうになる愛菜、帰ろうとする岸本のベストを引っ張る。「私を雇ってください。簿記取るんで」…
「第6話 愛菜の誕生日」
しつこい愛菜に折れた岸本、「条件は3ヶ月で簿記3級を取ること。出社は8時退社は16時半。チャンスをあげます。…」
翌日出社した愛菜、岸本に連れられクライアントの赤字続きのケーキ屋へ。美味しいが値段が高くて、なかなか売れない。岸本が、原価率を下げて価格を下げるように指導するが、耳をかさないオーナー。
すべてに1級の素材を使うことを使命感にしている。中に隠れているイチゴにも。そこへ「2級品ではダメなのですか?」と質問する愛菜に、「形は悪いが2級品にも美味しいイチゴはある」と応えるオーナー。どうやら愛菜の問がヒントになったらしい。
事務所に戻り鎌田に褒められる、「それコンサルの手法、質問して自分で答えを出してもらうの」。
今日7月7日は、七夕であり愛菜の誕生日でもある。愛菜の履歴書を見ていて気づいた鎌田。愛菜が帰った夕方、ケーキを用意すれば良かったと後悔している。
「先生、従業員への気遣いとしてケーキを買って行ってください」と岸本に頼む。
ケーキを買った岸本、愛菜の部屋の前を行ったり来たりしている。恥ずかしいらしい。不審な陰に怯える愛菜、恐る恐るドアを開けてみると。
岸本に「お誕生日おめでとうございます。」と言われ、また泣きそうになる愛菜。一緒に食べませんかと声をかけるが、さすがに一人暮らしの女性の部屋には上がれないと言う岸本。
そこで愛菜、外で星を見ながら一緒にケーキを食べることにする。無邪気な笑顔で笑う愛菜、忘れられない誕生日になった。
愛菜といることで何かが変わり始めたことに気づき始めた岸本、何か目がうるんでいるようだ。…

- タイトル:【私がひとりで生きてくなんて】
- 作者:ハルノ 晴(はるの はる)
- 掲載雑誌:コミックDAYS
- 発行元:講談社
- 配信開始日:2023年6月
【おすすめポイント】
夫から離婚を切り出された専業主婦・愛菜。社会経験がなく夫・宏之にすがりついて来たが、開き直って夫を捨てた。…「あなたがしてくれなくても」に続き、結婚のあり方を問う新作!